こんにちは、はんだ付け職人です。
週末に散髪に行ってきました。
もう15年くらい同じ美容院さんでお世話になっています。
髪を切ってもらっている間、結構仕事の話もしたりします。
今回は、NHKのプロフェッショナルに「赤毛のカリスマ美容師出てたね。」
という話を振ったところ、
がっちりマンデーに「ハサミのメルセデスが出てたでしょ?」
という話になりました。
残念ながら、私はその回を見逃していたのですが、
そのハサミなんと値段が30万円もするそうです。
「え~っ! ハサミが30万円!」と当然驚いたわけですが、
「あれ?もしかしてアサカ君(担当の美容師さん)のハサミも高いん?」
と、思わずたずねてしまいました。
アサカ君曰く・・
「ええ、そうですね。僕ので18万円くらいです。」
「え~っ!そんなにするん?」
と改めて驚いたわけですが、
何にそんなに驚いたかというと、美容師さんが使っているハサミ
美容院が1万円くらいのハサミを何本か買って
「好きなの使いなさいよ~」という風に支給されていると思っていたんです。
ところが、美容師の世界では、ハサミは基本自分で購入するもので
新人の美容師はローンを組んでも良いハサミを購入するそうです。
※多い人で6本くらいのハサミを使い分けるそうです。
(30万円×6本)
乾いた髪用、濡れた髪用、すくハサミ、逃げるハサミなど・・
切れるハサミは、髪の切断面が違うそうで、
切れないハサミで切ると、枝毛などの原因となるそうです。
また、切れる上に自分に合ったハサミでないと、1日中カットするのは
無理なんだそうです。
「じゃあ、ホームセンターに売ってる散髪用のハサミは?」
と聞きますと、
「もう、全然ダメっすね!」とのことでした。
※私は、子供の散髪用に買って使っていたけど、よく切れると思っていた。
これ、ハンダゴテと同じですね。
技術だけではなく、「道具も同じかそれ以上に重要ですよ」というところ。
ハンダゴテは、会社が購入して支給されたものを使っている方がほとんどです。
ここは、異論をはさむところではないですが、
心構えの部分は違うように感じます。
新人の美容師さんの給料は決して高くはないですが、
ローンを組んでまで道具を購入しようと考えるのは、
自分の腕一本、技術で食っていこうという気構えがあるからではないでしょうか?
「自前でハンダゴテを購入すべき」とお伝えしたいわけではなく、
少なくとも、はんだ付けを仕事にしている方は、ハンダゴテの重要性を学び
会社で決裁権のある方に話をする。
あるいは管理職の方には、ハンダゴテやピンセットなどの道具一つで
品質や作業性、効率が大きく変わることを知っていただきたいです。
はんだ付けの世界にも、自分の仕事に誇りを持った職人さんが多数現れると
カリスマはんだ付け職人がプロフェッショナルにとりあげられるのではないか?
と思います。
※一度、美容師さんのハサミ見せてもらってください。
どこから見ても磨き上げられていて、確かに違います。
ちなみにハサミを「カシャーン」と落とすと、もの凄く凹むそうです。
では、明るいはんだ付けを!