こんにちは、はんだ付け職人です。
7月に0402チップの手はんだ付けをテストしてから
早くも2ヶ月経ちました。
0201チップの入手が困難で、MURATAさんに直接問い合わせて
何社か商社を紹介していただき、ようやくサンプルという形で
入手することができました。
基板のほうも、前回試作した赤い基板は精度が足りず、
0201チップのランドにレジストが掛かったりして
ランドの形状がバラバラだったため、改めて作り直してもらいました。
ようやく、0201チップの手実装に挑戦できる環境が整いましたので
さっそく、挑戦した結果を報告させていただきます。
準備した素材と道具
チップコンデンサ:MURATA GRM011R60J102KE01L
糸はんだ:千住金属工業 M705 φ0.3mm
ハンダゴテ:METCAL MX-5200とMX-H2-UFに
こて先:UFTC-6CH08 352℃
ピンセット:HOZANのP-656
基板:0201チップのテスト用基板
今回、初めて0201チップを見たわけですが、肉眼では
ほとんど見えません。
リールからパラパラと数個を出してみても
小さくチラリと光る程度なので、何個置いてあるのかも
よくわかりません。
ピンセットで摘もうとすると、しっかり脱磁してあるピンセットや
セラミック製のピンセットでも、わずかな静電気が発生するのか
埃のように、くっついてしまうため、顕微鏡を覗きながらでも
なかなか、思った方向に摘めません。
また、実装の際、ピンセットにフラックスが付着すると
くっついてしまうため、常にピンセットをIPAなどで
洗浄しておく必要があります。
ですので、連続して0201チップを実装するのは
非常に難しいです。
それでは、0201を実装している動画です。
基板は、ご覧のとおり左右のランドの熱容量を変化させるため、
片側のランドはGNDパターンにしてあります。
おかげで、難易度も実際の基板により近いものになっていると思います。
ハンダゴテは、GNDパターンがあるため、細いものでは熱量が
不足するので大き目のもの(2C、1.2Dなど)を使ってみましたが
ピンセットとコテ先の陰に隠れてチップが見えなくなるため、
METCALのMX-H2-UFという細くてパワーのあるものを使いました。(140W相当)
形状は、0.8D(マイナスドライバー型)
フラックスは、わずかだけ塗布したつもりですが、チップは
とっぷり浸かった状態になり、熱をかけると粘度を増すため、
これも障害となります。
通常の3216や1005チップと同じ基本的な方法で実装できることを
確認できましたが、密集度が上がったり、積層基板になると
さらに難易度は増し、手実装は正直諦めたほうが良いレベルだと
感じました。
以上、0201チップの手実装の感想でした。
お役に立てば幸いです。
では、明るいはんだ付けを!