こんにちは、はんだ付け職人です。

今日は、以前に紹介させていただいた書籍
「電子部品の故障原因とその対策」日刊工業新聞社 吉田弘之(著)。
https://amzn.to/2PN7pWK

の中から、もうひとつ気になる記事がありましたのでシェアします。
(p115に書かれている内容です)

要約しますと,

 

「電子部品の故障原因とその対策」p115の要約

スルーホールにリードをはんだ付けした際に、はんだが部品面側まで上昇しないものや、
はんだの表面にブローホールが発生するものがありますが、

ブローホール写真

基板を構成しているエポキシ樹脂とガラス繊維の層間に微細なクラックなどの欠陥があり、
(スルーホール内壁にも微細なクラックが生じている)
このクラックに水分や、メッキ液、メッキの洗浄液などが残留していて、

はんだ付け時の高温度でガス化して溶融はんだの中に噴き出していることが
原因になっていることがあります。

さらに、エポキシ樹脂とガラス繊維が濡れていない箇所があると、基板の切断面、
孔の側面からメッキ液や水が浸透して残留するため、スルーホール間で
イオンマイグレーションによる短絡が発生する可能性があるとのこと。

もうひとつおまけに、ガラス繊維の内部が空洞チューブになっている繊維があり、
この空洞を伝って銅のフィラメントが形成されスルーホール間で短絡したことが
あるそうです。

去年「JPCA2018」の展示会で、いろいろ不良解析の手法を見せていただいた際、
サーモグラフィーで発見された 基板内部の短絡の写真を見せてもらったのですが、

「コレのことだったのか~!」と膝を打ちました。

電子部品を全て交換しても修理できない基板が、極まれにありますが、
意外にこうした目に見えない現象が起こっているのだなぁ・・と
得心がいきました。

お役に立てば幸いです。
では、明るいはんだ付けを!