ご無沙汰しております。お茶@はんだ付け職人です。

以前、玩具のLED打ち換えの記事でお気軽にご依頼をと言っていたのですが
今回も「遊び」に関するご依頼が舞い込んできました。

今回のご依頼はあくまで保守の観点からの御依頼で、内容的にもさほど難しくありません。
なので作業自体の解説は特になしです。

先ほど保守と言いましたがまさにその通り。
早め早めの点検が大事な機材を守ります。電子機器のほぼ確実に入っている大事な部品で、にも関わらず寿命が短い部品。

電解コンデンサです。正確には「アルミ電解コンデンサ」なんですが、電解液が漏れ出して基板を傷めたりします。シリーズによって寿命はマチマチなんですが短いものだと1000時間とか。

PCとか使う人によって使用頻度が違いますよね。
寿命1000時間、仕事で使用、一日8時間使う前提で週休2日として試算しても6年と3ヶ月しか持ちません。
実際はというともちろん耐久時間を超えたら即破損するわけではありません。
逆に、まだまだ寿命はあるはずなのに破損してしまう個体もあります。
大量生産品、工業製品の悲しさです。

以前掲載したコンデンサの画像が顕著でわかりやすいですね。

CIMG0563



コンデンサの下に漏れ出した電解液と埃と酸化した金属が混ざり合ったものがお分かりいただけるでしょうか?
こうなってしまうとコンデンサは機能を停止した上、基板を侵食していきます。
電気が通っていると電気分解でそれはもう一気に腐食が進みます。
自動車のECUなんかで多い事例なんですがこうなると修復には機材と技術が必要です。

前置きが長くなりましたが、今回の依頼品はこちら!!



ナムコの基板です。


いつ頃の、何のソフトかはわかりませんが・・・ゲームセンターなどに置いてある筐体用の基板みたいです。

基板はメイン基板とサブ基板がありコネクタで接続されていました。
分解した全体像はこちら

IMGP2386



自分は長らくゲームセンターに足を運んでいませんが、小さい頃は兄がキングオブファイターズ’99やストリートファイター0(ゼロ3だったかな?)をプレイしているのを見ていたものです。ちなみに自分はシューティング好きだったのでガン・バールやガン・バレット、バーチャコップなんかやってました。

話が脱線してししまいましたね。
コンデンサは基本的にご依頼者様が用意してくださったので調達できなかったものを追加して交換しました。

外観上は綺麗なものでしたが交換作業をしてみるとすぐに液漏れが始まっているのが分かりました。
臭いです。フラックスが揮発した時の匂いが好きだという方もおられるのですが(自分もその一人)なんですが、電解液のものは独特ではっきり言ってクサイです。
生臭いような違うような独特な臭いがしてきましたので基板の腐食を心配しましたが、綺麗で安心しました。

1つ外しては基板を確認して腐食がないか確認してから実装していきます。
場所によっては幾つか外してから間違わないように配置しないと実装できない箇所もあります。
ある意味パズルです。

サブ基板にもコンデンサが隠れていました。

CIMG0751

 

CIMG0749



アキシャルタイプですね。ランド部分からはんだを吸引器で吸い取って外します。
スルーホールを温めながら引き抜いても出来なくはありませんが溶けきらないうちに無理に動かしてしまうとスルーホールの破損を招きます。両面基板までなら修復できますが、多層基板でやらかすと修復不能に陥ります。丁寧に吸い取ってから外しましょう。

作業が完了したら依頼者様へ返送のご連絡と書類作成をしたら完了です。

依頼品が仕事のツールであれ、趣味のものであれ、ご気軽にお問い合わせください。


追記(07/28)
コメントでご指摘をいただいたのですが・・・
コナミでなくナムコでした・・・思いっきり書いてあるのに。ライバル会社ではないか・・・

qc様、ご指摘感謝します。


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