こんにちは、はんだ付け職人です。
ネプコン・ジャパン2015行ってきました。
中でも気になるインターネプコン・ジャパンとプリント配線板EXPOを
こってり時間を掛けて廻らせていただきました。
今回、ハンダゴテメーカーさんの出展は少なかったんですが、
いくつか「これは!」と思うものがありましたので
シェアさせていただきます。
まず、最初にHAKKOさんブースで見た「FX-801」
なんと、出力300Wのハイパワーです。
最も多く使われている「FX-951」などが75Wですから、
4倍ものパワーがあることになります。
HAKKOさん、真剣にパワーを追求したモデルですね。
デモンストレーションでは、棒はんだを溶かしたり
巨大なコイルをマウントした、でっかいGNDパターンを持つ
基板のはんだを楽々溶かせることが体験できました。
コテ先は、それなりにでかいですが、
今まで、熱不足に悩んでいた方には、必見のハンダゴテです。
これなら、マザーボードの電解コンデンサ交換も
できるはず。(定価¥78,000 )
それから、もう一台、はんだ吸い取り機の300W高出力タイプ
「FR-400」(定価 ¥140,000)
これもかなり大型ですが、真空度を高めてから一気に吸い取ったり、
吸い取ったはんだがノズル内に詰まるのを防ぐため、
ヒーターを長くするなどの改善が加えられています。
(フィルターも大型化しています)
また、メンテナンスキットが標準装備されるなど、
ユーザーの意見がかなり反映されています。
(標準で用意される横長穴のノズル)
スルーホールのハンダ除去には、苦しんでおられる方が
多いですから、いいところを狙っていると思います。
(いい値段しますけどね・・)
「FX-801」と「FR-400」は、
私もさっそくデモ機の貸し出しを予約しました。
ちょっと、変わったところでは、
バーコードシールをハンダゴテに貼って、コテ先温度を
管理する新型のコテ先温度計なんかもありました。
(品質管理の方は、気になる機能です)
次に、気になったのは、ドイツの「ersa」というメーカーの
「i-con1」というハンダゴテです。
かなり小型のハンダゴテですが、出力が150Wもあります。
また、ヒーターとコテ先が分離式なので、
コテ先のランニングコストは、安くなりそうです。
(本体約¥46,000、コテ先約¥1,200円 定価ベース)
細くて大出力というのは、矛盾する性能なのですが、
鉛フリーはんだでは、この矛盾する要求を求められることが多いので、
このハンダゴテもデモ機をお願いすることにしました。
日本GESCOさんのブースでは、[Weller」のハンダゴテを
チェック。
一番ベーシックな「WX1010G」(定価¥110,000)
ヒーター部に純銀を使って熱効率を良くしています。
また。このハンダゴテもコテ先チップだけを交換するタイプなのですが、
ヒーターがコテ先の形状にマッチするように内部にまで入る構造になっています。
熱効率の良いヒーターの熱をコテ先先端にまで届ける工夫ですね。
USBやLAN接続のない、もう少し安価なモデルがあると
良いのにな・・と感じました。
糸はんだで「おおっ!」と思ったのが、千住金属工業さんの
「LEO」という共晶の低温はんだ。
今まで、低温はんだに「ヤニ入り糸はんだ」は無かったわけですが、
(脆くて加工が難しかった・・)
これ、SOPやQFPなどの表面実装部品を安全に取り外すことができる
可能性を秘めています。
当社でもサンハヤトさんの「表面実装部品取り外しキット」には
よくお世話になっているのですが、
高価な上に、極少量。
さらには、フラックスとはんだは別々、というモノですから、
(注射器でフラックスを注入)
使い勝手は、良くなかった・・。
この「LEO」融点は139℃で、ちゃんと合金層も形成されるはんだです。
(ちょっと脆いそうです。衝撃には弱い)
部品取り外しに使えないか、サンプルを多めに貰ってきました。
価格は、エコソルダなどの鉛フリーはんだと、ほぼ同等だそうですので、
使えるようなら、かなり安く使えることになります。
※組成はSn -58Bi。 鉛フリーはんだとして使用できます!
※訂正しました。
他には、極小部品をピンセットで摘む際にトレーに使うと良さそうな
サカセ化学工業さんの「タックシート」や、
講習の際に、教材の観察を共有したり、報告書の写真を撮るのに
キーエンスさんの「デジタルマイクロスコープ」があると良いなあ・・
と思ったのが、私の感想です。
ネプコン・ジャパン、すごい人でした。
はんだ付け業界、普段地味で目立ちませんが、
「こんなに業界人多いんや・・」とうれしくなりました。
では、明るいはんだ付けを!