こんにちは、はんだ付け職人です。
今日は、高周波ハンダゴテについてのお話です。
先日、幕張の講習会で高周波ハンダゴテのデモ機をお借りした際、
興味深いお話を聞きました。
※ポリテクセンターでのはんだ付け講習会、検定では、
日本最大手ハンダゴテメーカーのHAKKOさんと、
高周波ハンダゴテのOKインターナショナル(METCAL)さん
から、最新のデモ機をお借りして、受講・受験の希望者に
お使いいただいています。(好評です・・)
私は、高周波ハンダゴテについて、細いコテ先なのに
ハイパワーが供給できる・・という優位性が
セラミックヒーターに比べて大きい・・と
認識していましたが、
まだまだ認識不足だったようです。
高周波ハンダゴテは、コテ先を母材に当てている間、
なんと、はんだ付けに最適な240~260℃に
溶融したはんだの温度を保つ機能があるというのです。
その日は、講習会の場で熱伝対を引っ張り出し、
実演してくださいました。
※基板は講習に使っている公式教材ですので、やらせはありません。
比較的太目の3C、コテ先温度354℃のコテ先でしたが、
コテ先をランドに当て続けていても、熱伝対の表示温度は
約250℃に保たれています。
これなら、少なくともフラックスが働いている間は、
オーバーヒートになりません。
これは、すごいことです。
狙って作られているならば、アメリカ人恐るべしです。
日本人の大多数が、まだ温調付きのハンダゴテの導入に
躊躇している中、先の先へ進んでいる感があります。
しかし、OKIさんの高周波ハンダゴテに、この機能があることを
知っておられる方が、日本にいったい何人いらっしゃるのか?・・
例えば、セラミックヒーターでは、コテ先の設定温度を
360℃に設定すれば、高性能なハンダゴテほど
母材の温度ごとコテ先の設定温度に近づいていきます。
※360℃に近づけようとするわけです。
※実際は、母材から熱が逃げるため、コテ先温度までは上がらない
参照:高周波とセラミックヒーターのハンダゴテ母材の温度比較グラフ
※これは、あるメーカーで、高周波ハンダゴテを導入する際に
比較検討するために測定されたデーターです
セラミックヒーターがランドの温度を300℃以上まで上げているのに
対して、高周波では約240℃に抑えられている。
もちろん、コテ先を当てる時間(熱、温度は見えないので勘による)
でトータルの熱量は調節できるものの、
作業者のスキルに大きく左右されます。
しかし、この高周波ハンダゴテなら、
初心者でもよほどのことがない限り、はんだ付けに最適条件が
作り出せることになります。
どうでしょう?
高周波ハンダゴテの別の面での優位性が見えてきましたね。
(そこそこ高価ではありますが・・)
さて、セラミックヒーターでも、窒素ガスフローハンダゴテを
用いて、コテ先温度を300~320℃程度に抑えてやると、
同様のことができることを私も確認しています。
参照:https://godhanda.co.jp/blog/52097045-2/
(こちらも窒素ガスシステムは、高価・・)
どちらが、自社の目的に沿っているのかは、価格も含めて
比較検討する必要があります。
高価な買い物になりますから、
まずは、無料のデモ機を試してみることをお勧めします。
(当協会に利益の供与はありません・・)
ついでに、コテ先も何種類か借りてみて、自社、自分にあった
ハンダゴテを選ぶことをお勧めします。
(10日間くらい借りられます)
OKインターナショナルさん問い合わせメールアドレス
nmitsumata@metcal.com
(※日本語HP工事中・・)
HAKKOさんホームページ
//www.hakko.com/japan/index.html
参考になりましたら幸いです。
では、明るいはんだ付けを!
※次回、講習・検定の開催予定日です。
開催地:大阪府摂津市 ポリテクセンター関西
2013 年11 月5 日(火) 9:00~17:30(はんだ付け講習)
6 日(水) 9:00~12:40(はんだ付け検定)
のスケジュールで開催予定です。
詳しいことは、こちら↓をご覧ください。
https://handa-npo.com/list-kentei
・2014年2月13日(木)、14日(金)
ポリテクセンター関東(神奈川県)講習・検定の開催
仮決定です。
10月に下見に行って決定いたします。