こんにちは、はんだ付け職人です。
今日は、フラックスの濃度は、はんだ付けにどう関係するのか?
についてのお話です。
ヤニ入り糸はんだを用いて、はんだ付けする場合は、
フラックス濃度のことを心配する必要はありませんが、
はんだポットで予備はんだを行う場合や、
液体フラックスを塗布してはんだ付けを行うケースでは、
小さな容器やお皿に、液体フラックスを少しづつ小出しにして
リード線や端子にフラックスをチョンと漬けて
はんだ付けする・・といった使い方をすることがあります。
参照 https://godhanda.co.jp/blog/52184915-2/
※写真は、小さなアルミカップです。
(フラックスはアルコールが蒸発して結構濃くなっています)
本来、カップケーキを焼いたり、お弁当のおかずを
小分けする時に使うものですが、使い捨てに出来るので
便利です。
こうした小容器に、少量のフラックスを小分けにして使用する場合、
写真のように、フラックスに含まれるアルコールは
どんどん蒸発していきます。
ほとんど、液状だったフラックスも1日が終わるころには
トロリとした粘性を持つ液体に変わります。
ここで疑問が沸いてきます。
1:「トロリと濃いほうが、フラックスの効き目が強い?」
2:「瓶(缶)から出したばかりの新鮮でフレッシュな
フラックスの方が、よく効く?」
たぶん、2だろうな・・とは思いますが、
1ももっともらしいですね。
はい、答えは田中和吉大先生の著書にありました。
フラックスの粘度が高くなると、フラックスの粘着力が
溶融はんだの付着力よりも大きくなって、はんだの付着接近を
妨げるそうです。
したがって、濃いフラックスはよろしくない・・と
おっしゃってます。
ただし、こうした小容器のフラックス濃度を
測定することは、現実的ではないため、
勘による判断方法を示しておられます。
たとえば、割り箸をフラックスに漬けて、これを取り出し、
フラックスの垂れ落ちる状況を見て判断する・・
といった方法を紹介されています。
「なんて、原始的な・・」と思わないでもないですが、
慣れるとかなり正確にその粘度と濃度を知ることが出来るそうです。
現場のことを考えると実践的ですね。
参考になれば幸いです。
では、明るいはんだ付けを!