皆様こんにちは。
はんだ付け職人の大堀です。
数年前から基板以外のケーブルに関するお問い合わせや製作のご依頼を沢山頂くようになりました。
単にケーブルと言っても単純なケーブルから複合ケーブルまで多種多様ですが、「はんだ付け」はこれら全ての製品に深く関係しています。
基板の実装と異なる点は、何といってもケーブルの製作では自動化が全てできないことです。
表面実装部品の実装などではマウンターと呼ばれるSMD部品等を基板に実装する機械があって、スクリーン印刷されたペーストはんだの上に、目にも止まらないスピードで正確に実装して行きます。
ところが、ケーブルとなると話は異なります。
現代では様々なコネクタ(マイクロDsubやハーフピッチベローズといったものなど)がありますが、コネクタとケーブルをはんだ付けするとなると熟練した「はんだ付け職人」が欠かせません。
製品仕様によってはツイスト作業が必要であったり、複数本をまとめたりと、細かく定められていて(配線ケーブルの長さや色も細かく指定されます)、ケーブルを製作されている方はよくご存じの事と思いますがこの前準備が、はんだ付け作業よりもはるかに時間を要します。
「手間のかかる作業は自動化で!」とは思いますが、この様な作業に関しては到底無理な領域であることがわかります。
結線図の整理が終われば、はんだ付け作業に入ります。
はんだ付けの作業はこんな感じで行います。(例:マイクロDsub)
完成した複雑な複合ケーブルをお見せしたい所なのですが、NDAの関係で掲載できません事をお許しください。
そこで、特殊なコネクタの製作例として「マイクロDsub」と「超特殊コネクタ」の写真を以下に示します。
(いずれもハーフピッチですのでピン間は1.25mmになっています)


また、一部の業界では一般的に使われている「メタコン」と呼ばれる大きなコネクタへのはんだ付けも行っています。
AWG12(芯線約φ2.0mm)のケーブル2本を一端子にはんだ付けするなど、特殊仕様のケーブル製作も行っています。


この様に、ケーブルやシステム内のハーネス(装置の内部配線仕様に合わせて製作します)など、基板実装以外の基板間接続においても「はんだ付け職人」は密かに活躍させて頂いております。


おまけ↑ これはアメリカ軍御用達の「ミルスペックコネクタ」です。
(OD色がタダ者ではない感じがします)
この様なケーブルたちが基板間をつないで、さらに装置間をつないでいくことでシステムとして組み上がって行きます。
システムと言うと、どうしても電子部品が実装されている基板が主役になりがちですが、
「たかがケーブル、されどケーブル」です。
インターフェース=コネクタ・ケーブルと言っても過言ではないと思います。
私共はそれらケーブルの大切さと、間をつないで広がって行く世界を「はんだ付け技術」で支えて行きたいと思っています。

弊社では特注ケーブル1本から製作させて頂きます。
この様な作業をご検討の際には、是非お問い合わせください。
お待ちしております。