こんにちは。
「旧車に光を!」の大堀です。

初めてNSXのリモコンキーを修繕し始め早2年半。
今回もNSXのキーレスエントリー基板の修復なのですが、
ケースが簡単に分解できない事例に遭遇しました。


通常であればモナカ機構ですので手順通りに分解組立ができるのですが。。。
全く開かないではありませんか!

どうもおかしい??

顕微鏡で細部を調査した所、なんと接着剤で固定されていました。(怒)
新車のNSXは既に存在しないので中古であることに異存はありませんが、表面の見える部分を綺麗にして見えない所は適当に処理するとは、不届き千万!(個人的に許せません)
今のオーナー様も知らない世界ですから何処にも当たれませんのでこれくらいにします。

さて、気を取り直して基板を観察すると、珍しく電解コンデンサの液漏れが発生していました。
回路としてはMCU部とIR(赤外線)発光部が主なのですが、多くの場合はIR発光部に問題が発生しています。パルス信号を瞬間的にIR-LEDに大電流を流して最高発光輝度で送信していますから、電解コンデンサ的には負担の大きいところなのでしょう。

さらに液漏れが発生するとパターンの腐食が生じるので処置は早く対処しなければなりません。(15年以上経過した電解コンデンサは寿命が尽きている可能性が高いです)

これは構造がわかるレアな写真です。(電池のスライド機構など興味深々です)
ふと、これを見てあることに気づきました。
ボタン電池は通常セットしたままですから、もし電池が液漏れしてもMCUがやられてしまわないように通常時からクリップ側を上にした状態にしておくと被害を最小限に抑えることができるかなと思います。

今回の液漏れは軽傷でしが、大抵の液漏れ系被害は甚大な被害になります。小さいことですが予防効果は大かもしれません。


電解コンデンサの液漏れ場所です。パターンを修復して新品の電解コンデンサに交換します。
IR-LEDも元気に発光することが確認できました。
あとは、オーナー様の下で動作チェックです。

NSXのみならず、キーレスエントリーに関するお悩みがございましたら、
弊社にご相談下さい。お待ちしております。
「旧車に光を!」